こんにちは。黒田です。
降りそう。
降らない。
淡い青空にどっしり暗い雲。
本日は、
「呼吸。息づく、ものづくり。」
参りましょ〜。
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ペコラ銀座の洋服づくりを、
どんな言葉にしたり、
どんな方法を使えば、
たくさんの皆様に知っていただけるのだろうかと
ペコラ銀座に来て以来、
ずっと考え続けていたら、
それは日課となり、
自然の日常となった。
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ここ数日のこと。
AI殺人兵器のニュースを目にしながら、
機械には呼吸が無いことを考えた。
呼吸が無いこと、
ためらいが無いこと、
その非情さと無情さを考えた。
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ペコラ銀座の洋服づくり。
「フルハンドメイドなんです。」
「手で裁断しています。」
「店主自らの手で型紙を引いています。」
「手仕事の結晶なんです。」
いかに「手」で作っているか
ということを、
色々な方法で表現して参りました。
そんな中で、
時折耳にする、
「手で作るからって、どうなの?」
「なんでわざわざそんな時代遅れな」
という、お言葉。
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手で型紙を引くのは、
どういうことなのだろうか。
時間がかかっても手で縫うのは
どういうことなのだろうか。
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「本当にちょっとした手加減なんだよ」
これは50年以上、
その腕で仕立てをしてきた、
ペコラ銀座の洋服づくりを担う
職人の言葉。
「ちょっとした手加減」
それが全ての違いを生む。
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人間の手がほどこす
「ちょっとした手加減」
それは、
呼吸があって、
その呼吸の中での
ためらいや決心の瞬間を
自分の培ってきた勘に馳せて
その手で線を描き、
その手でハサミを握り、
その手で針を運び、
その手でアイロンを持ち、
ためらいや決心が息づく呼吸の中での
「ちょっとした手加減」
が積み重なって、
人の手仕事でしか出来ない、
呼吸の息づいた、洋服となる。
そんな、
人の手でしか出来ない洋服を、
どのように感じるかは、
着る者によって感じ方は様々かもしれない。
着心地の良さも、
洋服の美しさも、
着る者に対して
他者は強制的に感じさせることは出来ない。
それでも、
ペコラ銀座は、
店主の佐藤英明は、
人の手による、
手間暇を惜しみなくかけた、
手仕事の洋服づくりを守り続け、
私たちの洋服づくりが、
衣服を通じた人の幸せを創れるものだと
信じております。
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ペコラ銀座店主、
テーラー佐藤英明は、
フルハンドの洋服の違いについて
聞かれた際によく、
「不思議と、手間をかけた分だけ、洋服の出来上がりが良くなるんです」
と言います。
この
「不思議と」
と言うところが
人の手にしか宿すことの出来ない
「手加減」と言う技術、
人の呼吸の中の、
ためらいと決心が、
手加減を指先に伝え、
そんな人の呼吸が伝わった手仕事の
魔法の「不思議」かもしれないと
AIや機械の非情と無情を感じる中で
考えましたとさ。
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それでは。
AIの技術に対し、
人間の魔法と言う非科学で挑んだ本日も、
店主、テーラー佐藤英明の言葉で
締めくくらせて頂きます。
「すべての技術は美しい洋服のためにある」
By Hideaki Sato