こんにちは。旧スタッフです。
そして、こちら。
PECORA GINZA
BLOG
ペコラ銀座の日常や店主の想いを、
スーツの情報とともに
こんにちは。旧スタッフです。
そして、こちら。
こんにちは。黒田です。
このところ、ペコラ銀座、
モーニングに、タキシードと、
「礼服」づいております。
そんな中、佐藤さんは
「やっぱりフォーマルって、かっこいいんだよね~。」
「フォーマルという決まりの中で、いかに美しさを導き出すか。」
「それがまた、難しいんだけど、すごく面白いの。」
「決まりごとの中にある自由を辿って行くんだよ。」
なんて、呟いております。
・・・
なるほど~。
面白いなぁ~、と思いながら、
現在、聞き溜めております。
「フォーマルの中に宿る自由と美しさ」
については、また後日掘り下げて
皆様にお届けしたいと思います。
・・・
さて、本日は。
タイトルの通り、「佐藤家と、制服」です。
ペコラ銀座オーナー、佐藤英明は
テーラー家系、3代目の生まれであります。
そんな佐藤さんは、
学校の制服は「既製服」を着た経験がありません。
「制服」と言えば、
テーラーである父親に仕立ててもらうもの、でした。
中学時代は「既製品の制服」を羨ましく思った事もあった、佐藤さん。
それでも高校生になると、
「自分のためだけに仕立てられた、制服」に、
ものすごく有り難みと、誇りを感じるようになったそうです。
「制服」というと、
学校だけではありません。
会社、チーム、あらゆる組織において「制服」は存在します。
佐藤さんの父親の代では、
海上自衛隊の制服も、数多く仕立てたそうです。
その当時、制服を仕立てて下さった方で、
現在は定年退職された元自衛隊員の方からのお手紙が、
昨年、佐藤家に届いたそうです。
そのお手紙の内容は!
(原文ではありません)
~~
20代で仕立ててもらった、海上自衛隊の制服。
その制服を、何十年もの間、ずっと定年まで大切に着させてもらいました。
その制服は、どこに行っても、丁寧で綺麗な仕立てだと、周囲に褒められました。
その制服を着て、最後まで、仕事に努めさせていただきました。
本当にありがとうございました。
~~
佐藤さん曰く、
当時の若者は、
社会に出て働き出した20代で、
それぞれ自前で「制服を誂える」ような時代であったそう。
お金を貯めて、あるいはツケ払いで、または分割払いで、
みんな一生懸命働いて、
自分のために「良い制服を誂える」ことが普通だった時代。
そしてその「自分に相応しい」1着を、長く大切に着る。
そんな時代。
・・・
これから生きていく決意を、「制服」に託して身に纏う
その姿勢が、なんとも格好良くて、眩しく感じます。
・・・
既製のものが溢れかえる、現代。
そんな時代にこそ、
個々の生きる決意の込もったフルオーダーの1着を。
何着に1着は、そんなのも良いかもしれません。
・・・
スーツは、何着も何着も、持ってなくてもいい。
1着でも、2着でも、「良いもの」を作って、ずっと長く着る事。
その事がとても美しい。
そして、偉い、偉くない、関係なく、
「それは本当に豊かだと思う。」
By Hideaki Sato
こんにちは。黒田です。
ペコラ銀座のお洋服には「自由」が宿っている。
そう感じたのは、
佐藤さんに「型紙」について聞いたときのことです。
皆さま、ご存知のとおり
ペコラ銀座のお洋服は、その1着1着が、
お客様のためだけに作られた「型紙」
をもとに作られております。
この型紙は、
テーラー佐藤英明が
お客様の採寸と印象をもとに
一から、手で、引いております。
テーラーとして一見、当然のような
「型紙を引く行為」
ここに「自由」が宿っているのです。
型紙を引くということ。
既製服とは違い、
それは、お客様1人1人のために、
「ゼロ」から描いていくのです。
既存パターンをサイズ調整するパターンオーダーなどとも違い、
それは、ガイドライン1つない、
「真っ白」から始まるのです。
「ゼロ」から始まる、「真っ白」な出発。
そこに「自由」があるのです。
・・・
佐藤さんは言いました。
「寸法、メジャーリングも大事なんだけれど。」
「あくまで寸法、それが大事なんだけれども。」
でも、その人に合うこと、
その人間の一部になること、
その人の雰囲気に合うこと。
そのためには全体のバランスを良くした、
「綺麗な線」
を描いていかないといけない。
バランスをとりながら、
「ああ綺麗だな」
「美しいな。良いな。」
と思いながら、描いていく。
寸法も大事なんだけれど、
それを超えた
「綺麗な線」
それを描くには
「あくまで自由でないといけないんだ。」
・・・
佐藤さんは続けます。
例えば
自分の体型は格好悪いんじゃないかと、
思ってしまう人がいるとする。
それでも、
綺麗だと思う線が引けて、
それが形になったとき、
不思議と、
その「線」と、その人の「あれ」が合ってくる。
すると、
その人の、その人となりの服になっていく。
そうやって、
洋服の全体感、バランスが良かったら、
その人は、
美しくなっていく。
でもそれは、
「あくまで自由な線」
でないと
そうはならないのだ。
・・・
ペコラ銀座のお洋服に宿る、「自由」
それは、
「美しさのあるべき形」を決め付けるのではない。
「個々の美しさ」にたどり着くための、「自由」
・・・
「みんな、綺麗だな、って僕は思うの。」
By Hideaki Sato