みんなそれぞれMy Story【4】「単なる衣服ではなくて『衣装』なんですね」

 

こんにちは。黒田です。

 

 

まとわりつく残暑。

 

そんな時に欲しい。

今を乗り越える原動力。

 

残暑が明けたらやって来る、

お洒落が快適な、あの季節。

 

 

あともう少し。

 

熱中症に気をつけて。

頑張りましょう。

 

さて、本日は♪

 

今年始まった、ペコラ銀座の新企画

みんなそれぞれMy Story 第四弾 でございます。

 

さっそく、参りましょ〜

 

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お洋服も人生も十人十色

~みんなそれぞれMy Story

 

人は皆それぞれの生き方があり、

十人いれば十通りの、美しい色を持つ。

 

私たちの日常は、

十人十色の想いが、

地球上のあちらこちらで重なり合って出来ている。

 

十人十色こそが美しく、

それはそれは尊く、

この世の何にもかえがたい、

宇宙の宝物。

 

十人十色いらっしゃるお客様に、

十人十色、それぞれお洋服をお仕立てすること。

それが、私たちペコラ銀座の日々です。

 

そんなペコラ銀座の日常の一風景を、

一人のお客様を通してご紹介いたします

本企画。

 

 

今回ご協力くださったのは、Kさん(60代男性、医師)

長年ペコラ銀座のフルハンドメイドをお仕立てくださっている、

かれこれ12年という長いお付き合いのKさん。

 

彼のMy Storyとは

 

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「単なる衣服ではなくて『衣装』なんですね」

 

いつも素敵な洋服をエレガントに着こなし、とてつもなく暖かいオーラの持ち主であるKさんは、まるで歩く太陽。

お顔からこぼれ落ちそうなくらい大きくて気持ちの良い笑顔と、リズミカルで軽快なトークには、その場にいる誰もが魅了され、元気になる。

クラリネットにオーボエ、クラシック演奏も嗜むKさん。

大学時代は一念発起し全国の医学生に呼びかけて100人規模の学生オーケストラを取りまとめ実現させると言う、とてつもない情熱家でもある。

洋服に関しては、ちょっとひと並外れた歴史と物語をもつ。

洋服好きでお洒落な父親と、デザイナー志望の母親の間に生まれたKさんは、3歳の頃から母親の仕立てるスリーピースを着て育った。

幼い頃から、父親が自宅でテーラーに採寸や仮縫いをしてもらう姿を見ながら大きくなり、成人してからは自分自身も父親と同じテーラーに洋服を仕立ててもらい、まさに仕立て文化の中でずっと生きてきた。そんなKさん。

 

 

今回のインタビューは、

すっかりKさんにリードして頂いてしまいました。

 

問わずとも湧き出る湧き出る、

Kさんの興味深い話の数々に聞き入り、

たくさん勉強させていただきました。

 

 

仕立て服の文化そのものへの情熱と愛をたっぷり感じる

Kさんの、My Storyでございます。

 

 

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「僕はね、スーツが大好きなんですよ。」

 

(そう切り出したKさんの顔には溢れんばかりの笑み。) 

 

これは、もうね、父親がお手本です。父はいつもスリーピースを着る、お洒落な人だったんですよ。

母親はデザイナーになりたかった人で、日本では戦後まだ珍しかった立体裁断の先駆者、伊東茂平の衣服研究所の研究生として立体裁断の勉強をしてたんです。服のアイデアをすぐデザイン画に起こせるように、デッサン、水彩画、油絵なども習って相当なレベルに達していました。しかし、結婚により家庭に入ってしまい夢叶わず、せめてものつもりで、家事や診療の手伝いを終えた夜中に、自分や子供の服をデザインし、型紙を起こして作っていました。

僕は3歳の時から、母の作った三揃い、それも、下が半ズボンのスリーピースを着て育ったんです。蝶ネクタイ締めて。

素敵でしょ?

そんなわけで、自然と、母が型紙を引いているところを見て育ったんです。コンパスや分度器も使っていたなあ。

母が、生地から買ってきて、僕を採寸して型紙を起こして裁断縫製するのを、いつも興味深く見てました。何通りもの縫い方があることや、いせ込みとかハ刺しとかの技法があることも、母から教えてもらったんです。

5歳を過ぎたら「もう長ズボンね」と本格的スリーピースに移行。

身体が大きくなったら寸法直し、寸法直しでダメならまた作ろうね、と。いわば、母が専属テーラーとして作ってくれる“誂え”を着て育ったわけなんです。なんて子だ!

 

それから、いつも父親の採寸や仮縫いをする姿も見ていました。

昔はそういうことが多かったんですけど、自分がテーラーに行くんじゃなくて、家に来てくれるんですよ、仕立屋さんが出張して。つまり、採寸や仮縫いを自宅に来てやってくれるんですね。

その様子をずっと見てました、近くで、正座して。母が「ここの背中の”突き”がちょっと」なんて指摘するのをね。

父は、ネクタイもいっぱい持っていたし、靴もたくさん。ピシッとスリーピースを着て、委員会などの集まりに行くのを玄関で見送るんですが、その姿がカッコよくてね。そんな父親をずっと見て育ったので、成人になって初めて自分から「テーラーで作りたい」と言った時の僕は、もうスリーピースしか頭になかったですね。

今でも僕は必ずヴェストも作ります。ズボンは必ずサスペンダー仕様にするんですが、サスペンダーを隠すためにあるのがヴェストなので、夏用のスーツであってもスリーピースで仕立てます。上着を脱いだ時にヴェストがあるとないとではエレガントさが全然違うじゃないですか。真夏の昼の外出時はさすがにツーピースで出かけますが、ヴェストは極力持って行きます。冷房の効いた建物や室内に入ったら、ヴェストを着てスリーピースに変身!こうすれば、ジャケットを脱いでも恥ずかしい格好にはなりませんから。

ヴェストと言えば、我が家の正月の光景を思い出します。祖父を筆頭に、父や叔父達が皆きちんとスリーピースで集まるんです。宴もたけなわになると、5人全員が上着を脱いでヴェスト姿になって酒を酌み交わすんですが、それが子供の目にも何とも格好良く見えて、早く大人になりたいと思ったものです。それを子供用のテーブルから見ていた僕もスリーピースに蝶ネクタイという格好だったんですけどね。笑

自分から本格的に服に興味を持ったのが、思春期の頃。

大学を2年浪人したとき、服の歴史みたいな本をやたらに読みました。

細かい、服のこの部分が、どうしてこの位置に?どうしてこの形に?なんていうのを沢山読んで、そう言う洋服の意味合いが分かるように、勉強をしました。

とにかく服に関する本を読んで知識をつけました。

ファッションとしての服への興味よりも、身分や立場を表す服装のあり方を知ることが大好きだったんです。

正統、オーソドックスな服の歴史を学ぶことで、一つ一つのパーツがなぜこの形になったのかが分かって、それを理解することで TPO を間違えずに済むんですよね。

TPOによって「この服はその場にそぐわないのじゃないか?あ、着ちゃおかしいよね」とか。服の細かいところの意味合いが分かると、こういう場面にこのデザインの服や靴はおかしいよな、と、自然と分かるようになるんです。

 

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「僕はイギリスのデザインが好きです。やっぱり、父のを見て育っているので」

 

実は僕、ずっと英国スタイルだった父のテーラーに作ってもらっていたんですが、その方がある程度のお年になって、確か80幾つになって「もう私きつい」と言われちゃったので、それで僕どうしようかなと思って探したところ、ペコラさんがいいかなとなりました。もう10年以上も前のことですが。

ペコラ銀座のホームページを見たり、佐藤さんのあの風貌を見たりして、「この人なら任せられそう」って思ったんですね。口コミを見ても良さそうだったし、イタリアと言っても、ミラノだったら、大丈夫かなと。

佐藤さんはもともと、すごくトラディショナルというかオーソドックス、正統派のスーツを作るんですね。

しかもミラノってイタリアの中でもイギリスが入ってるというか、イギリススタイルにすごく近いのがミラノなんです。イタリアでも北の人はすごく真面目で、デザイン的にもきっちりしてる。そうするとね、やっぱり、巷でイタリアンなんとかっていう中でも、佐藤さんのが一番僕の好みにも近いです。

ミラノのスタイルはイギリスに近いと言っても、芯地に大きな違いがあって、イギリスの服はミラノのよりももっと硬いんです。大袈裟に言えば鎧のイメージ。

基本的に立った状態でカッチリ見せるのがイギリス。イタリアは動いたり、ハグしたり、表現する動きが多いのがイタリアなんで、これには、芯地も柔らかくないといけないんですよ。

もう全部、芯地の作りも違う。佐藤さんの芯地は非常に柔らかくて良いんですよね。

だから、本当に着やすいんです、佐藤さんの服は。

それと僕はサスペンダーを使って、その上にヴェストを着るから、芯地が硬いと肩がこるんですよ。

でも、仕立てが良くて、芯地が柔らかいと、凝らないんです。佐藤さんのスリーピースを着て、カッチリとキメてても肩凝ったことがない。

一方、前のテーラー、昭和のお爺ちゃんが作ってくれてたのは、ものは良いんだけど 芯地がカッチリしているんです。日本の芯地屋さんの作る芯地って硬いんですよ。皺が無くてパリッと見えるんだけど、硬くて、肩がこるんです。 

人間は柔らかく動いてるから、ロボットみたいに動いてるわけじゃないからね。

 

良い服装のためには、ある程度の痩せ我慢は必要だと思いますが、ペコラの服はその痩せ我慢の程度を軽くしてくれます。

やはり、その人らしい動作や所作ができるという点でも、佐藤さんの服はとっても素晴らしいと思います。

 

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「僕は会話を楽しみます、服作るとき」

 

会話を楽しまないとダメなんですよ、服作るときは。

自分のキャラクターも分かってもらいたいし、どういう時に着るのか?とかも分かってもらわないといけない。

例えば僕の場合は、いろんな会議の時に着るんですよね。

服って、同じことを発言するのでも、キチッと服を着て、ネクタイ締めて発言すると、やっぱり伝わり方が違うんですよ。

こういう場面に着て行って、キチッと感を出したいんです、というのを伝えるんです。

それから服っていうのは、人柄を表すものでもあると思います。楽天的な感じのキャラの人とかだと、そういう雰囲気をもつ服にしてくれると思うんですね。

 

あとはまあ、とりあえず服って、同じテーラーでまず3~4着作らないと。4着目から、だんだんとね、こう気心が知れてきて、体のクセもつかんでもらえて、しっくりとしてきますよね。

1着目で「ん?」と思っても、諦めちゃダメなの。

できれば同じところで、4着目まで行った方が良いんですよね。

もう12年になるかな。僕が初めてペコラさんに入った時、なんかもっとゴージャスなお店を想像していたから、あれ、意外に小さいな、これでいいのかな?と思ったのを覚えてます。笑 しかも、あそこ、エレベーターが開いたら、もう逃げられないから。笑

僕は初めての店には必ず自分の一番気に入ってるスーツで行くのですが、初めてお会いした時の佐藤さんは緊張してらしたのかな?そういう雰囲気でした。後から聞いたら、僕の「普通の客じゃない、言い換えれば、面倒臭い客」オーラが出てしまっていたらしく、「この人を満足させることができるかな?」と思ってらしたみたいですね。佐藤さんって、あんなに凄い実力があるのに、けっこう謙虚なんですね!笑

それで初めてのオーダーで夏用のスリーピースを作って、2着目はコートを作りました。その時夏だったんですけど、その日はちょうど僕の携わっていたオーケストラのボランティア企画の帰りにペコラさんに立ち寄って。この時に、オーケストラのプログラムを佐藤さんに見せて話をしたりして、そこから僕は佐藤さんとすごく打ち解けたと思います。佐藤さんはクリスチャンなので、根底に大きな人間愛があるから、僕のボランティア精神をわかってくださったんじゃないかな、とか勝手に思ってるんですけれども。

その時に作ってもらったコートは今も一番愛用していますが、すごく素敵です。佐藤さんが感動したマリオ・ペコラのコートの、あのイメージで作ってくださっているので。

このコートを作ってもらったきっかけも、会話で、僕がこういう人間っていうのを分かってもらってですからね。

 

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「佐藤さんの服を着ると、その人が本来よりも素敵に見えるんです。」
 

佐藤さんの服が素晴らしいのはね、着た時に、その人が本来よりもずっと素敵に見えるんですよ。

体型に関係なく。佐藤さんの服を着ると、なんか、格好良く見えるんです。

やはりスーツっていうのは、男性をより魅力的に魅せるものなんですね。

それを、特に、魅力的に魅せる、プラスに持っていくのが、佐藤さんうまいんです。

要するに、アンテナ感度が鋭いのと、会話などを通じて「この人はこういう感じに仕立ててあげた方が魅力的に見えるだろうな」って、そのサジ加減がうまいんだと思います。

例えば、僕の体型や雰囲気には、ベントは入れない方が良いです、ノーベントでいきましょう、と提案してくれるんです。

それからズボンなんかも、生地によって、細かいところを一番ふさわしい仕様に変えてくれます。

ズボン(トラウザーズ)は非常に大事ですよ。 ジャケットに目が行きがちですが、スタイルよく見せたければ、ズボンこそオーダーにすべきです。これは皆さんにお伝えしたい!

家内には、「佐藤さんに作ってもらったズボンを履くと、あなたのすごい短足が、そう見えない、不格好に見えない」と言われるんですが、実は自分自身でもまさにそう感じています。

 

やっぱり、そこかな。

着ることで、その人の見た目のポテンシャルを高めてくれる。それに、外見だけでなく、内面のポテンシャルも高めてくれる。

そこが、佐藤さん、本当にテーラー、アルチザン、だと思います。

 

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「着ると、やっぱり元気になるんです。」

 

よし、今日は良い発言するぞという気になります。学会で着ると、大学の授業で着ると、やっぱり良いプレゼンができるんですよ。

そういう力があります、服には。

 

それはね、既製服を買って、袖丈を詰めますとか、ズボンの裾をお直しします、とかじゃあダメなんですよ。

いくら有名ブランドもので、70万とかそういう服を買って、後でお直しとかやっても、そういう力は得られない。

 

うん。ここに来て、作らないと。

自分を魅力的に見せるように、人柄をスーツで表現できるように作ってもらわないと。

 

そのためには、やはり、佐藤さんとの会話を楽しんで、お客側も自分を知ってもらうっていうのも大事ですね。

佐藤さんも、そこから色々拾って、やってくれますからね。

 

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「ところで、生地は触ってますか?」

(Kさんは途中、こう問いかけながら、続けて話した。)

 

服地っていうのはね、選ぶ時に必ず触らないとダメなんですよ、見るだけじゃ。

佐藤さんもいつも触ってますよね。

それと佐藤さんって、布地のコレクターでもあるじゃないですか。服地大好きな人っていうのは、やはり良い生地を揃えるんですよね。小さい頃から布を触っておられるし、お爺さんの代からの生地も知ってらっしゃる。

僕も子供の時から服地を触っているので、それが今に生きてますよね。佐藤さんと生地談議をすると盛り上がっちゃう。笑

ペコラには、ビンテージの生地がたくさん揃ってるのも本当に素晴らしいです。

生地はね、1980年代までが一番良かったんですよ。90年代から、もうダメになっていきます。昔は捻のしっかりした糸で、低速織機で丁寧に織っていたんです。だから、織りでいろんな模様を入れることができたし、コシやハリのある、触って揉んで「ああ、いいなあ」という生地がたくさんありました。

佐藤さんって服地大好きですからね。外国の倉庫に眠っているのを買ってきたりして、良い生地をたくさん持ってらっしゃる。ビンテージの生地も、もう世界的にも残りが少ない上、保存が悪いと虫も食っていますから、昔の良い生地を、独自のルートで手に入れられるのは佐藤さんくらいですよ。

今日も、実は持って来たんですよ、1970年代の終わり頃に父が作ったキッドモヘアの夏用スーツのズボンなんですけど、こういう生地がもう無いんですよね。今ではもう織れないので、だから佐藤さんに探してもらおうと思って、今日見せようと思って持ってきたんです。

 

客としても、店主をその気にさせる知識をつけていく。良い服を作ってもらうには、そんな客側の努力も、ものすごく必要だ、と僕は思います。

そういう知識をつけていると得ですね。

宝石もそうですけど、こちらが色々知っていると「これも」なんて奥から出てくるんですよね。

布が好きで、その勉強をするとか、服の歴史の本一冊読むだけでも。どうしてその服はその形になったのか、とかね。

そもそも同じ布でのスリーピースなんて元々無かったんですからね。上着とヴェストとズボンは、それぞれ違う素材、違う色で作るのが本来の姿だったんですよ。それをある時、ドイツのマインツにいた職人が全部同じ生地で作っちゃった。最初は酷評さんざんだったそうです。ところがそのうちに「なんか素敵じゃない?」ってなっていったんですよね。

それから昔の上流階級の服は裏地がシルクで、しかも詰襟のデザインだった。で、時々、遊びで詰襟の首元を折り返して裏地を見せたりしていた。その名残が今のタキシードの襟の部分のシルク(拝絹)なんですよ。詰襟の首元を折り返してみるとお分かりの通り、見える裏地は今で言う下襟の形になりますよね。だから、拝絹は下襟だけが絹なんです。そういう歴史を知ると、タキシードは、ヘチマ襟よりも、剣襟で下襟だけ拝絹というデザインの方が本格的・正統的なんだということが分かるんです。

そういう元々の歴史を知ると、何で服のデザインがこうなってるかとか、必然的な意味が分かってきて面白いですよ。

 

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「服は本当に大事。」

 

内面を磨いていれば外見は、なんていうけど、それは全く違うと思います。今みたいに、国際化とか言われれば言われるほど、国際的な舞台では見た目で評価されるということを肝に銘じておかないとね。

ヨーロッパの人たちなんか、見た目で、きちんとした服を着てるだけで、お店でも全然扱いが違いますから。

ヨーロッパには階級文化がまだ厳然とありますからね。ちゃんとしたお店には、それなりの服装をしていかないと相手にしてもらえませんよ。単なる衣服ではなくて、服装なんです。“場”への敬意でもあるんですよね。

 

同じ3つ揃いを着るにしても、やっぱり佐藤さんのを着た方が絶対に良いですよ。

お店から受ける評価としても。

 

着る人がその人なりに魅力的に見えるように作ってくれるので、その力を借りながら、色んなお店にいく時も、ホテルに泊まる時も、こちらが何も言わなくてもちょっとグレードアップしてくれたり、同じ値段でも角部屋にしてくれたりと、扱いが全然違います。

服は見られています。

妻の服を買いに店に入っても、店員さんは僕のスーツの方に食い付いたり。 靴、鞄、ネクタイ、時計、万年筆などを買う時も、良いスーツを着て行くと扱いが違います。

特に欧米では絶対。良い扱いを受けたければ、良い服を着ないとダメですね。

夏でもちゃんとネクタイしたり。蝶ネクタイ(ボウタイ、パピヨン)も良いですね。

やはり、勝負の服として着る。あるいは、相手や場への敬意を込めて着る。自然に背筋が伸びる。

ペコラの服を作るというのは、そういう意味合いもありますね。

 

 

 

 

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豊富な知識。

独自の経験。

類をみない温厚なお人柄。

 

品格とインテリジェンスに満ちながらも、

相手にプレッシャーを与えない気持ちの良い空気を演出するのは、

まさにKさんのお人柄のなせる技。

 

今回のインタビューは終始笑顔で、

とっても勉強になる、

楽しく有意義な時間を過ごさせていただきました。

 

本当にありがとうございました。

 

最後に。

文化として洋服を愉しむKさんより一言。

 

「洋服ブラシは大事!洋服ブラシにお金を惜しまないで!」

By Kさん

 

 

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Kさん、この度はご協力頂き本当にありがとうございました。

Kさんのご活躍を心より応援しております。