画面の世界のペコラ銀座。

 

こんにちは。黒田です。

 

 

街中を当てもなく駆け抜ける風。

 

 

青空にほどよく散らばった雲。

雲の隙間から感じる陽射し。

 

土曜日の朝がやってきた。

 

 

 

 

本日は、

「画面の世界のペコラ銀座。」

 

 

参りましょ〜。

 

 

・・・

 

 

最近YouTubeと言う場所をお借りして

 

ペコラ銀座より

「動く映像」

を画面に閉じ込めてお届けするようになりました。

 

 

ブログで綴る

「文字を書いた文章」とも違い、

 

SNSでお届けする

「静止した写真」とも違い、

 

また新たな画面の中での

発信方法を得たことに

なんだか不思議な感覚を抱いております。

 

 

 

流れる時の中の

「とある瞬間や期間や思考」

に囲いをかけて残す

文章、映像、写真。

 

それはなんだか

流れるものを止める威力のようにも感じられ

そんなパワーを持っているところに

時折、怖気付く。

 

流れることが当然の時を、

デジタルな技術でキャッチして、

画面の中に閉じ込める。

 

そんなことをしながら、

ペコラ銀座の画面の世界を創造する。

 

 

 

 

画面の世界のペコラ銀座が広がる一方で、

 

ペコラ銀座の日常は、

相変わらず対面で、

人対人の、

直のやり取り。

 

生身の体感を大切にした、

ペコラ銀座らしい、

人の手と心の通った、

そんな洋服づくりをしております。

 

お客様との直の対話、

職人との直のやり取り、

スタッフとの直接の意思交換。

 

一着の洋服が出来上がるまでに

重ねられる対話の数々、

巡らされる思考の深み、

大切に扱われる想いの数々。

 

それは本当に、

ペコラ銀座店主、

佐藤英明らしさ溢れる、

Bespokeの仕立屋の美しさのようにおもう。

 

 

そんなペコラ銀座を

画面に閉じ込めてお届けすることに

多少の違和感や迷いを抱きながらも

 

画面の世界のペコラ銀座を見てくださる皆様と、

「いつか直でお逢いしたい」

「生身でペコラ銀座の洋服づくりを体感して頂きたい」

「洋服の世界の楽しさを味わって頂きたい」

という願いを込め、

 

ペコラ銀座のみんなで思考錯誤しながら

発信しております。

 

 

この度YouTubeでの映像配信

と言う方法が加わり

文字や写真とはまた一味違った

「動く、ペコラ銀座店主」

もお届けできるようになりました。

 

カメラの前で照戦苦笑しながらも、

YouTubeと言う先進的で便利な現代のツールを

ありがたく活用しようと、

テーラー佐藤英明、一念発起しております。

 

そんな舞台裏も、

いつか画面に閉じ込めてお届けできれば、

一層、奥行きのある画面の世界のペコラ銀座を

皆様にも見ていただけるのかな

なんて思いながら、

 

ひとまずは、

編集や更新に慣れていきたいと思います。

 

どうぞよろしくお願いいたします。

 

 

今後とも画面の世界のペコラ銀座もお楽しみ頂き、

いつか直に皆様の人生における

「洋服との愉しいお付き合い」

ご一緒させて頂きたいと願っております。

 

 

 

「カメラの前で喋るの、本当むずかしい。。」

By Hideaki Sato

 

 

 

 

スコティッシュ リネン。

 

こんにちは。黒田です。

 

5月は1日。

 

本日は、

スコティッシュリネン。

 

 

参りましょう。

 

 

・・・

 

 

 

「あー。。。、、もったいないね。」

 

そんな風に始まったのは、

 

今朝一番の、

ペコラ銀座店主とのやりとり。

 

創業1825年。

スコットランドに残る、

最後のリネンミルが4月をもって閉鎖した。

 

https://scottishlinen.com

 

・・・

 

皮肉なことに、

このミル閉鎖をきっかけに、

スコティッシュ リネンを知った私たち。

 

なくなってから、

その存在を知る無念さときたら。

もう。

 

 

スコットランドに残っていた最後のリネンミル。

そこで196年もの間、

 

積み重ねてきた歴史。

育まれてきた技術。

継承し続けてきた想い。

 

ミル閉鎖とともに、

それらの生き場所は、

未来での可能性は、

あっけなく閉鎖されるのか。

 

 

・・・

 

身体の奥底深くから出るため息。

 

スコットランドで唯一残っていた、

リネンミルがなくなった。

 

今日から、

1日1日が過ぎるごとに、

「過去の歴史」

となっていくのだ。

 

ああ。

スコティッシュ リネン。

 

 

・・・

 

今朝、

この事を知ってから、

 

少しばかり、調べ物をした。

 

ミル閉鎖がきっかけだったけれど、

知りたいと思った。

考えたいと思った。

 

 

スコットランドといえば、

タータン、それからツイード、

そんなイメージだったけれど。

 

実は、

かつてのスコットランドでは

かなり栄えたリネン織産業だったよう。

 

 

少なくとも600年以上の歴史を遡る事の出来る

スコットランドでのリネン織産業が

発展する根拠となったのは、

 

昔のスコットランドにおける亜麻農業だった。

 

スコットランドで作られるた亜麻は

その種から抽出するオイル、

耐性に優れた自然繊維から作られる

糸が重宝された。

 

亜麻農業が栄えるスコットランドで、

丈夫な亜麻糸が生産され、

それに付随して発展したのが、

スコットランドのリネン織の技術。

 

長い歴史あるスコットランドのリネン織業は、

1707年に制定された合同法によって

ますます盛んになった。

 

1720年代には、

スコットランド産のリネンの品質向上を計るために

世界最高峰のリネンを誇るフランスより職人を招聘。

彼らとその家族に土地と住居を与え、

スコットランドの職人は、彼らフランスの職人より

世界最高峰のリネン織の技術を教わったそう。

 

同時期、

リネン織を産業として発展させようと、

リネン商取引のノウハウを教わるために

アイルランドからの人材もスコットランドに招いた。

 

1800年代には、

地域によっては800以上あったという、

スコティッシュリネンのミル。

 

そんなスコティッシュリネンのミルでの仕事は

「炭鉱場に匹敵するほど危険な職場」

とも称された。

 

亜麻の繊維を精製する当時の工程で発生する塵や、

可燃性の高い亜麻繊維を扱うミルにおける火事の高リスクなどで、

危険な労働環境の中であったが、

たくさんの雇用があった。

 

1950年頃まで、

スコットランドにおける亜麻農業は続き、

以後、

スコットランドのリネン産業は徐々に規模が縮小した。

 

スコティッシュリネンのミルは、

徐々に地産のリネン糸から、

輸入のリネン糸を主に扱うようになり、

リネンミルの数も年々減少。

 

ついには、

スコットランドのリネンミルたった1つとなり、

 

その最後のリネンミルは

今年の4月をもって閉鎖した。

 

 

スコットランドで、どうしてリネン?

と思ったけれど。

 

なるほど。

亜麻が豊富に採れた、

地域性によって栄えた産業だったんだ。

 

それにしても、

600年以上も遡る事の出来る、

スコットランドのリネン織の知恵と技術。

 

そのうちの196年を担っていた、

スコットランド最後のリネンミル。

 

 

そのミルはもう閉鎖された。

 

ああ。

 

やっぱり出るのはため息だ。

 

・・・

 

「良い生地はどんどん見つけにくくなっている」

「そもそも、良い生地を織れるところが、残ってない」

ペコラ銀座店主の佐藤英明が

常々呟いている言葉だ。

 

 

歴史と伝統を誇る一つのミルがまた閉鎖された。

 

そんな事を知った今朝から

調べ物をしながら、

想いを馳せて考えた。

 

そうして、改めて思った。

 

仕立て文化を生きる、

私たち仕立屋が担う役割は、

まだまだ沢山ある。

 

仕立屋の仕事は、

お客様のお声を、

美しい洋服に仕立て上げる事。

 

でも仕立屋の役割は

それだけではないかもしれない。

 

私たちひとりひとりが生きる人生において、

何を愛で、

何を大切に育むか、

と言う事を、

 

身体に纏う衣服を通じて

その美しいあり方を

実現して行くことも

 

私たち仕立屋の役割だ。

 

私たちの仕立てる美しい洋服のもととなる、

美しい生地。

 

その美しい生地は、

歴史と伝統の技術を持つミルで織り上げられる。

 

その美しい生地は、

原料となる

歴史ある農家や羊飼いと羊のおかげのもとにある。

 

 

「美しい仕立て服」

 が出来上がるまでを遡ると、

 

生地を織るミル、

生地そのものの原材料、

そこに携わる人や羊まで辿ることが出来る。

 

 

今朝知った、

歴史ある一つのミルの閉鎖を、

「ああ。本当に残念だったね。」

と、

傍観者となるのは、

仕立屋としてはどうなのだろうか。

 

美しい仕立て服は、

質の良い、素晴らしい生地に支えられている。

 

仕立屋は美しい生地と共にある。

 

その美しい生地の事や、

それらを織るミルのこと、

それらに携わる人のことを、

 

その生地を洋服として身に纏う、

お客様と一番距離の近い、

私たち仕立屋という現場から、

時折皆様にお伝えしていくことも、

今後はして行けたらと思います。

 

「Bespokeと言う服の選択肢」

には、

仕立ての技術のみならず、

最高の生地を織る至宝の技術、

そして

それらに携わる人々の美しい精神と

生き様が宿っているのです。

 

 

スコティッシュリネン「歴史と化するはじまり」に、

なんとも考えさせられる、

 

土曜日、5月、1日。

 

 

「続けて行くことは本当に難しい、そして一番の目標」

By Hideaki Sato

 

 

 

ペコラ銀座店主の出張行脚。

 

こんにちは。黒田です。

 

 

4月。

 

春。

 

桜は今年も咲いている。

 

・・・

 

それぞれの新しいはじまりを、

優しく受けとめてくれる桜景色。

 

期待も、希望も、

ドキドキも、不安も、

花びらにのせて、舞い散らせてくれる、桜。

 

勇気のいる一歩を、

桜吹雪は遠慮もなく後押しする。

 

桜は今年も咲いている。

 

・・・

 

いつもの桜が咲いている、春。

いつもとは違うように感じる、今年の春。

 

この1年の変化は目まぐるしいものだったから。

 

社会が変わった。

常識が変わった。

環境が変わった。

 

 

そんな中で、自分は。

 

 

 

本日は、

 

「ペコラ銀座店主の出張行脚。」

でございます。

 

 

参りましょ〜♪

 

 

 

突然ですが。

 

ペコラ銀座店主、

「出張行脚」 

始めようと思っております。

 

例年ではなかなか時間がみつけにくかった、

出張という形での注文会を、

今年はいくつか開催してみようと思っております。

 

御遠方の皆様にも、

ペコラ銀座のBespokeを楽しんでいただけるように、

ペコラ銀座店主、佐藤英明が、

元気の出る生地と笑顔をお持ちして、

日本、各方面へ参りたいと

考えております。

 

 

この「出張行脚」のもとにある

ペコラ銀座店主の想いについては

ペコラ銀座の情報メール<ペコラ銀座電子お便り>

にも綴らせて頂いておりますので

その配信メール本文を抜粋し、ご紹介いたします。

 

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〜ペコラ銀座、電子お便り<第12号>〜出張行脚。直に交わしたい、「装いの心」〜

皆様こんにちは。本日は、このコロナ禍と言う特殊な時期において僕の中で沸いた想いと、今年の新たな目標の一つになることを、お話し出来ればと思います。

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おかげさまでペコラ銀座は4月を無事に迎えることが出来ました。
日々、スタッフそして職人一同、真摯に仕事に向き合わせて頂いております。
このように仕事をさせて頂けることは、ひとえに皆様のおかげでありますことに心より感謝申し上げます。

さて、いつもの4月といえば新しい始まりですが、コロナ禍という特殊な一年を過ごした末に迎える4月は例年とは違った独特のものとなりそうです。

そんな独特の新年度を迎える2021年、
僕はちょっとした試み、「出張行脚」をしてみようかなと言う気持ちになりました。

例年はスケジュール上、中々実現出来なかった出張ですが、
この機会に、出張という形で、御遠方の皆様にペコラ銀座の洋服をご注文を頂ける場を作っていこうと思いました。
もちろん、コロナ禍と言う社会の状況も踏まえて、出張の時期を調整したり、衛生面でもきちんと配慮した形で、安全な出張を企画していきたいと思っています。

僕がこの出張を「出張行脚」と呼ぶ背景には、僕がこの一年ずっと考え込んでいる事があります。

それはコロナ禍独特の「新しい◯◯」の数々が広まる中で生まれた、「装い」に対して囁かれる意識の変化についてです。

コロナ禍における社会の変化に伴いスーツの必要性について様々に囁かれるようになってきてから、ついには「カジュアル化」と言う言葉が以前に増して頻繁に聞こえてくるようになってきました。

時代の流れに伴う「装いの変化」については、仕立屋生まれの僕はずっと身近に感じ取りながら生きてきましたので、常に時代と装いの関係性については考えを巡らせておりますが、
昨今ほど「装いの心」を根本的に問いただしたくなる時期というのは僕のこれまでの人生には無かったかもしれません。

現代でこそ「仕事着」「フォーマルウェア」と言う立ち位置を得たスーツやジャケットと言うアイテムに代表されるクラシカルな装いでありますが、その根源にあるのは「丁寧に装う」ことによって人と人が敬意を示し交わし合う、社会の中での「美しい心遣い」なのです。

その人と人の間の尊重し合う気持ちこそが「装いの心」であり、クラシカルな装いの文化の美しさなのであります。

スーツやジャケットとは、「尊敬しています」「大切に想っています」と言うメッセージを言語ではない衣服というに形に変換して相手や社会へコミュニケートする記号なのです。
その記号を、長い歴史の中で大切に継承し、社会の色々な場面でのドレスコードとして粋に愉しむ事が、クラシカルな装いの美しい嗜みです。

そんなクラシカルで美しい「装いの心」は、時代ごとに少しずつ現代化されたりファッションの登場によって多様な感性が混ざり合いながら変化を遂げてきましたが、
この独特のコロナ禍における装いへの意識の変化は、僕にとってはよく分からない部分が多くしっくりと来ないものがあります。

カジュアル化とは、一体どのようなものなのでしょうか。
カジュアル化という言葉が一人歩きして、その言葉のイメージだけで多くの人々が「装いを軽視する事が今の装いの流れ」であることだと勘違いしてしまうのではないかと、僕は少し心配です。

「楽な装い」としてカジュアルという表現を用いるならば、ペコラ銀座のBespokeジャケットやスーツは一人一人の身体に合っていて着心地も良く、大変「楽」です。
その上、スェットやジャージなどのルームウェアよりも気持ちも引き締まって、家の中での作業や仕事の捗り方としても「楽」かもしれません。
でも、「カジュアル化」という言葉からBespokeのジャケットやスーツは連想されません。

先ほど、クラシカルな装いとは相手への敬意をコミュニケートする記号であると書きましたが、この記号は長い歴史の中で形成され、社会の良い潤滑剤ともなる記号であると思います。
この歴史ある記号を、このたった1年の“コロナ禍”でいとも簡単に浅はかに「カジュアル化」の名の下に手放した先の人類の「装い」への美的概念はどのようになってしまうのでしょうか。

こんな事を考え込んでいるうちに、
僕は考えるよりも行動をしたいと思いました。

一人歩きする言葉に対して、僕自身が日本の各地を周る事をしたいと思いました。
日本各地の皆様と、直に「装いの心」を交わしあう出張行脚をしたいなと思いました。

僕の身体は一つなので、注文〜仮縫い〜納品の流れも考えると、今年のうちに回れたとしても数カ所かもしれないです。
それでも、健全な社会の潤滑剤としての「装いの心」を、多くの皆様と交わし合いたいと心から思っております。

絵画を愛でるように互いの姿に見惚れ合い、愛で合う、美しい装いの文化を、
ペコラ銀座の洋服づくりを通じて、僕はしっかりと直に皆様へ伝えて参りたいと思っています。

皆様の中でも「出張行脚、ぜひここに来てください」というご希望がありましたら、どうぞお気軽にご連絡ください。
可能な範囲で、出来るだけ多くの皆様に喜んで頂ける形で、この出張行脚をして行きたいと思います。

皆様どうぞ、今後ともペコラ銀座の洋服づくりを楽しみにしていて下さい。

ペコラ銀座店主

佐藤英明

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・ 

・ 

・ 

 

社会は変わる。

常識は変わる。

環境は変わる。

 

そんな中で、自分は。

 

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・ 

・ 

 

「新しい〇〇」と提示され、

「はい。かしこまりました。」となる前に。

 

自分の心に問いかける。

 

 

 

エチケットがマナーであるように。

素敵な装いは最高に美しいマナーである。

 

品格と感性そして芸術性。

装いには、心を潤す神秘がある。

 

 

桜はいつもの年のように、

遠慮なく今年も開花してる。

 

その優しい表情が、人々の心を安らげる。

 

街ゆく人々がすれ違い合うたびに、

互いの姿に心地よさを覚え、

互いの姿そのものが心の安らぎとなったならば。

 

装いには、人を癒す力がある。

装いには、人を元気にする力がある。

 

 

 

ペコラ銀座店主の出張行脚。

ただいま、どちらへ向かおうかと、

検討中でございます。

 

皆様の中でも、

ご希望がありましたら、

どうぞお気軽にご連絡くださいませ。

 

 

「Bespokeの楽しい時間を過ごして、装いで元気になりましょう」

By Hideaki Sato