お洋服に宿る、自由。

こんにちは。黒田です。

 

 

 

ペコラ銀座のお洋服には「自由」が宿っている。

 

 

そう感じたのは、

佐藤さんに「型紙」について聞いたときのことです。

 

 

 

皆さま、ご存知のとおり

ペコラ銀座のお洋服は、その1着1着が、

お客様のためだけに作られた「型紙」

をもとに作られております。

 

 

この型紙は、

テーラー佐藤英明が

お客様の採寸と印象をもとに

一から、手で、引いております。

 

 

テーラーとして一見、当然のような

「型紙を引く行為」

 

ここに「自由」が宿っているのです。

 

型紙を引くということ。

既製服とは違い、

それは、お客様1人1人のために、

「ゼロ」から描いていくのです。

 

既存パターンをサイズ調整するパターンオーダーなどとも違い、

それは、ガイドライン1つない、

「真っ白」から始まるのです。

 

「ゼロ」から始まる、「真っ白」な出発。

 

そこに「自由」があるのです。

 

 

・・・

 

佐藤さんは言いました。

 

「寸法、メジャーリングも大事なんだけれど。」

「あくまで寸法、それが大事なんだけれども。」

 

でも、その人に合うこと、

その人間の一部になること、

その人の雰囲気に合うこと。

 

そのためには全体のバランスを良くした、

「綺麗な線」

を描いていかないといけない。

 

 

バランスをとりながら、

「ああ綺麗だな」

「美しいな。良いな。」

と思いながら、描いていく。

 

寸法も大事なんだけれど、

それを超えた

「綺麗な線」

それを描くには

「あくまで自由でないといけないんだ。」

 

・・・

 

佐藤さんは続けます。

 

例えば

自分の体型は格好悪いんじゃないかと、

思ってしまう人がいるとする。

 

それでも、

綺麗だと思う線が引けて、

それが形になったとき、

不思議と、

その「線」と、その人の「あれ」が合ってくる。

 

すると、

その人の、その人となりの服になっていく。

 

そうやって、

洋服の全体感、バランスが良かったら、

その人は、

美しくなっていく。

 

 

でもそれは、

「あくまで自由な線」

でないと

そうはならないのだ。

 

 

・・・

 

 

ペコラ銀座のお洋服に宿る、「自由」

 

それは、

「美しさのあるべき形」を決め付けるのではない。

 

「個々の美しさ」にたどり着くための、「自由」

 

 

・・・

 

 

 

「みんな、綺麗だな、って僕は思うの。」

By Hideaki Sato

あれから21年。今もなお、着れるもの。

こんにちは。黒田です。

 

 

今日は、ちょっとばかり

タイムスリップしてみたいと思います。

 

 

と言っても、ほんの21年前。

 

 

 

 

~~~

 

 

 

 

 

!!

 
 

1998年 5月発売の Men’s EX

 

 

 

佐藤さんが、

「こないだ雑誌の整理をしていたら、出てきたの。」

だそうです。

 

 

 

 

少し中身を見てみると、

1998当時の既成スーツのスタイルが見て取れます。

こんな感じのサイズ感が流行だったのですね。

 

 

 

さて。

21年前に流行ったスタイルを、

令和の時代が始まった今、街中で見かけたとすると

どうでしょうか?

 

 

。。。

 

 

 

 

 

もう少しページをめくり進めると。

 

 

!!!

1998当時のペコラ銀座のマエストロ、

佐藤英明でございます。

 

と、

ここでご注目いただきたいのが、こちらのスーツ。

 

・・・

なぜだか

スーッと受け入れることが出来る。

違和感をあまり感じない。

・・・

 

そう。

今現在、

こちらのスーツを街中で着ていたとしても、

違和感なく、すんなりと

時代に馴染むのではないでしょうか。

 

 

 

佐藤さん曰く

「このスーツのスタイルは、今とそんなに変わらない。」

「着丈くらいかな。自分は短いのが好きだけど、長くしてって言われた思い出がある。」

 

~~~

 

 

 

 

 

はい。

ふたたび

2019年、現在に戻りまして。

 

 

ペコラ銀座には

誇るべき「お客様のお声」がございます。

 

それは

「10年前、20年前に作ったスーツを今も着ているよ」

と言う、本当に有難いお客様のお声であります。

 

ペコラ銀座の洋服は

その美しさや、丁寧で丈夫な作りはもちろんのこと

「いつの時代にも通ずる、スタイル」

を宿らせております。

 

 

それは

既製服や流行ファッションではなく

オーダーの洋服であるからこそ

 

そして

佐藤英明の感性と経験をもってこそ

成せる匠技なのです。

 

 

 

あれから21年。

ペコラ銀座は今もなお、

いつの世にも美しい洋服を追求し続けております。

 

 

 

「オーダーってやっぱり良いな。。。」

By Hideaki Sato

テーラーという星のもと生まれた者。

こんにちは。黒田です。

 

 

このところ、「星」のテーマが続いております。

その、ひとまずは最終章です。

 

 

先日、

佐藤さんに聞いてみたことがあります。

「マリオ・ペコラさんは誰に仕立てを習ったのですか?」

 

 

・・・

ペコラ銀座という店名の由来であり

佐藤英明の師匠である

マリオ・ペコラ氏

・・・

 

 

「ペコラさんはね、すごいの、あの方は。」

「有名な人にはついてないの。」

「子どもの時からテーラーで働いていたことは働いていたんだけどね。」

と、佐藤さん。

 

シチリアからミラノに出てきてから、2年ほどで独立。

イタリアの有名貴族のお抱えのテーラーとなり

誰もが認める巨匠となったペコラ氏。

 

 

そんな彼のことを

ミラノのひとびとは、

『テーラーという星のもとに生まれた者』

と、呼んでいたそうなのです。

 

 

・・・

 

佐藤さんはつづけて、言いました。

明らかに人と違うレベルで「良い服」をつくるペコラ氏。

そんな彼のつくる服が

「何で美しいのか?」

「何ですごいのか?」

考えても考えても、未だに不思議でしょうがないと。

 

何でか分からないけれど

明らかに、違うニオイがする

それなのに、目立つところが1つもない

それでいて、完璧に綺麗に見える

 

明らかに、人とは違うレベルの「良い服」をつくる。

それがマリオ・ペコラ氏。

 

 

マリオ・ペコラ氏の世代は、

凄腕のテーラーが沢山いる世代である。

そんな中で「選ばれていく」ペコラ氏。

 

 

・・・

満天の星空の中で、一段と輝く星を見つけるかのように

山ほどいるテーラーのなかで、

貴族たちは彼を見つけ、彼を選んだ。

・・・

 

 

「結局、『本物』は分かる人には分かるんだ。」

と、佐藤さんが言う。

 

「天才と呼ぶのも、違う気がする。」

「言葉が見つからない、すごい人」

 

 

テーラーという星のもと生まれた者。

マリオ・ペコラ氏

 

心からの敬意を込めて。